オーロラは96歳でペンを握ったままこの世を去った 人生に思い残すことはなかったが 唯一見終えていないドラマがあった 目を覚ますと 彼女はそのドロドロのドラマの世界に転生していた スターリング家の生き別れた実の娘でありながら 嫌われ者の悪役令嬢という設定だったのだ 養女のチェルシーはすぐに泣き落としを使い 婚約者もチェルシーを贔屓する 家族全員がオーロラに「大人になりなさい」と説教してくる始末 本来の脚本なら 彼女はここで崩壊し すべてを失い 最後は路上で悲惨な死を遂げるはずだった だが残念ながら オーロラは前世で自らビジネス帝国を築き上げた人物であり 安っぽい涙など通用しない 彼女はすべての企みを録音し 自身の歓迎の晩餐会で嘘を暴露し 大勢の前で婚約者を切り捨てた さらに 破産寸前だった一族の事業を時価総額約3兆円のエネルギー企業へと生まれ変わらせる 彼女は悪役令嬢として書かれたが 自らの手で結末を描き出した